ハンセン病患者とされた男性が隔離先の特別法廷で死刑判決を受け、1962年に執行された「菊池事件」の第4次再審請求審で、弁護団が申請した供述心理学者の証人尋問が18日、熊本地裁であった。非公開の尋問後の記者会見で、有罪の根拠の一つとされた親族供述は「不自然な変遷があり、実際の体験に基づかない可能性がある」と説明した。
証人出廷した京都大大学院の大倉得史教授は会見で、男性から殺害を直接打ち明けられたとされる親族2人の凶器に関する証言内容が食い違い、変遷していると指摘。「見たとされる凶器が全然違うという異常な事態だ」と述べた。