従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する「健康経営」に取り組む企業が県内でも増えてきています。

 「ぎふ健康づくり応援プロジェクト」では、健康経営に積極的に取り組む企業をシリーズで紹介していきます。

2025年2月26日掲載

株式会社市川工務店(岐阜市)
建設業

就業時間内に受けられる健康指導、サークル活動を応援

 総合建設業の市川工務店は、就業時間内で特定健康指導を実施しており、従業員の健康の予防に注力。対象者が参加できるように業務などを調整し、保健指導だけでなく、同時に正しいラジオ体操の仕方を講義するなどしている。講義内容は他にもその場で簡単にできる運動など、さまざまな内容で行っている。

 健康診断では、前立腺がんの早期発見に有効とされるPSA検査をオプションとして追加。希望者は胃カメラも追加でき、就業時間内で受けられる。また、40歳、50歳、60歳の節目を迎える従業員には人間ドックを受診してもらっており、費用を会社で負担。再検査受診の呼びかけも徹底し、健康意識向上を促す。その他にも全従業員を対象にしたインフルエンザの予防接種を、会社側が全額補助している。

 運動面ではサークル活動助成制度として、従業員5人以上の会員による活動に助成金を支給。現在はフットサルサークルがあり、26人の従業員が活動している。メンバーは10代から50代までと幅広く、大会にも出場。サークルでの活動を通じて運動の機会を設けるだけでなく、従業員同士が業務以外で交流を深める場にもなっている。

 その他にも会社の駐車場の花壇で野菜を栽培。収穫した野菜を社内で配布し、野菜を食べるきっかけづくりをしている。今後の健康経営について、久留宮裕司総務部長は「継続はもちろん、従業員や世間のニーズも取り入れて働きやすく健康的な生活を送れる環境を築きたい」と話す。

【会社概要】
■本社/岐阜市鹿島町6‐27 ■設立/1950(昭和25)年8月 ■代表者/代表取締役社長 小川 健 ■従業員数/355人(男性307人、女性48人)

大野ナイフ製作所(関市)
製造業(家庭用・業務用刃物、各種ナイフ製造)

食事、運動面での意識向上が浸透業務のIoT化で作業も効率化

 高級包丁メーカーの大野ナイフ製作所は、栄養バランスの取れた食事の提供や運動への意識向上、IoTを活用した業務効率化などを推進。経済産業省が選ぶ健康経営優良法人の中小規模法人部門上位500社「ブライト500」に、2022年から3年連続で認定されている。

 食事面では、管理栄養士が考案した関給食センターの「健美ランチ」を提供。高タンパク質で減塩、野菜の摂取量を重視した弁当を、会社の補助で従業員が低額で購入できる。

 運動面では17年にマラソン部を社内に結成。地元の駅伝大会に社内から複数のチームが参加している。また、マラソン部の立ち上げをきっかけに昼休みを利用して、会社周辺を散歩する従業員が増えた。その後、ゴルフ部も発足。運動への意識向上が社内で顕著になり、個人で運動に取り組む姿も見受けられている。

 インフルエンザ予防接種では、雇用形態に関係なく、全従業員を対象に費用を会社が全額負担。ほぼ全員の従業員が受診しており、毎年感染者がほとんどいない状態を維持している。

 その他にもIoTを活用し、作業を自動化するなどして業務効率化を推進。生産現場の稼働状況の「見える化」を図ったことで、迅速な不具合への対応と人手の足りていない工程に人員を割り振ることが可能になった。山内嵩史総務部長は「社内での健康経営への理解が浸透している」と実感。「自分の健康への意識を少しずつ変えていくことが大事」と話し、今後も健康経営に尽力していく。

【会社概要】
■本社/関市下有知4164-1 ■創業/1916(大正5)年5月 ■代表者/代表取締役社長 大野 武志 ■従業員数/112人(男性72人、女性40人)

わたしたちは、ぎふ健康づくり応援プロジェクトに参画しています

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