AIを活用した自動運転バスと路上駐車禁止を呼びかける看板=1月、岐阜市(同市提供、画像の一部を加工しています)

 人工知能(AI)を使った自動運転バスの実証実験で、路上駐車が無人化の障壁になることが分かってきた。AI活用のバスは安全を最優先するようプログラムされ、危険と察知して減速や停車をしてしまうためだ。運転手不足の中で「地域の足」を維持する切り札と期待がかかっており、自治体は運転ルート沿いに看板を設置するなど、路上駐車を防ぐ対策を迫られている。

 鳥取市は2024年2月、中心部の4・6キロの区間で市民が乗車する自動運転バスの実証実験をした。自動運転できないときに備えて乗務員が同乗。11日間で約410キロを走ったが、自動運転できたのは約8割の329キロだった。乗務員が運転したのは691回あったが、原因の47%は路上駐車で、周囲に歩行者がいたなどの理由を上回った。

 12月に路上駐車の回避機能を備えた自動運転バスを投入して実証実験をしたが、それでも避けられずに乗務員が運転せざるを得なくなった。AIを活用したシステムは衝突事故を防ぐため、先が見えにくい場合は、対向車線にはみ出して回避はしない。