岩手県大船渡市の大規模山林火災で市は7日、延焼の恐れがなくなった同市赤崎町6地区の計415世帯957人の避難指示を解除した。解除は発生10日目で初めて。避難所などに身を寄せていた住民らは続々と帰宅し、安堵の表情を浮かべたが、再燃への不安も拭えない様子だった。同市三陸町綾里など残る1481世帯3639人の避難指示は継続する。
政府は7日、激甚災害に指定する方針を固めた。自治体の復旧事業に対する国の補助率を引き上げる。また県は同日、火災に巻き込まれて死亡したとみられる男性は、三陸町綾里の柴田吉郎さん(90)だと明らかにした。
避難指示が解除され、赤崎町後ノ入の自宅に戻った男性会社員(50)は「家の無事を確認して安堵でいっぱい。再燃に不安は続くが、家族一緒に戻ってこられたことがうれしい」と笑顔。無職佐々木康雄さん(66)も「乾燥しているので、風向き次第で同じ事が起きないとは限らない。早く鎮火の報を聞きたい」と話した。