静岡地裁

 飲酒運転をして物損事故を起こしたという理由で懲戒免職処分を受けた静岡県焼津市の元小学校教諭(46)が、処分取り消しを求めた訴訟の判決で、静岡地裁は6日、「原告は花粉症薬とアルコールの摂取でせん妄状態にあり、処分は裁量権を逸脱、または乱用しており違法」として処分を取り消した。

 判決などによると、元教諭は2017年3月10日夜、同県藤枝市内で飲酒し、運転代行サービスで自宅付近まで行った後、自分の車を運転し、サイドミラーなどを壊す事故を起こした。県教育委員会は19年8月、地方公務員法に違反するとして、懲戒免職処分にした。

 平山馨裁判長は判決理由で、元教諭が花粉症用のアレルギー薬とアルコールとの相互作用でせん妄に陥って運転していたと指摘。「事理弁識能力を欠いていたことを考慮することなく、一般的な酒気帯び運転と同様に処分したのは裁量権を逸脱している」などとした。

 県教委の池上重弘教育長は「県の主張が認められなかったことは残念。控訴も含めて今後の対応を検討する」とのコメントを出した。