記者会見する福島原発告訴団の武藤類子団長(右)と被害者参加代理人の河合弘之弁護士=6日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ

 被害が今なお続く東京電力福島第1原発事故で、旧経営陣は最高裁決定により、刑事責任を負うことがなくなった。「根本的に間違った判断だ」「本当にひどい」。責任追及に取り組んできた被害者側は6日、強く反発し、抗議の声を上げた。

 「被害者を踏みにじる冷酷さを感じる」。東京都内で記者会見した福島原発告訴団の武藤類子団長は怒りに震え、目には涙をためていた。

 2016年2月に東電の元会長ら旧経営陣3人が強制起訴されてから、9年を経て迎えた最高裁決定。被害者参加代理人の河合弘之弁護士は、最高裁が具体的な判断内容を示したのは決定文13枚のうちわずか1ページだったとし、「手抜き裁判だ」と批判した。