線路際に設置された「特殊信号発光機」(左上)(JR東海提供)

 JR東海は5日、踏切の異常を付近の列車の運転士に知らせる「特殊信号発光機」が支障なく見えるかどうかを、列車から撮影した映像でAIが自動判定するシステムを国内で初めて開発したと発表した。25年度から在来線各線に試験導入して精度の向上を図り、26年度以降の本格運用を目指す。

 丹羽俊介社長は5日の定例会見で「夜間に検査する作業員の負担は大きい。今後もAIを活用した業務改革に取り組みたい」と話した。

 同社によると、特殊信号発光機は踏切の非常ボタンが押されたり、立ち往生した自動車を検知したりした場合に赤色灯が光り、視認した運転士は直ちに列車を止める。カーブなど見通しが良くない地点では、手前に中継の発光機を取り付けており、同社管内の設置数は計約8千基に上る。

 現在は沿線の草木が伸びるなどして障害になっていないか作業員が目視で定期的に点検しているが、新システムでは列車の運転台にカメラを設置し、走行しながら前方の様子を撮影。AIが進行方向に対応した発光機を検出し、見通しが良いかどうかを自動的に判定する。