九州電力川内原発の運転差し止めを求めた訴訟で、控訴後に記者会見する原告団=5日午後、鹿児島市

 九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)は地震や噴火などにより事故の可能性があるとして、住民らが九電と国に運転差し止めを求めた訴訟で、住民側は5日、事故の具体的危険性はないとして請求を退けた2月21日の鹿児島地裁判決を不服とし、福岡高裁宮崎支部に控訴した。

 原告弁護団の森雅美共同代表は記者会見で、東日本大震災以前の行政追従の判決だとし「福島第1原発事故の教訓はどうなったのかと思わざるを得ない」と批判。原告団長の森永明子さん(53)は「福島では今も家に帰れない人がいることを忘れてはいけない。判決に意気消沈せずにやっていきたい」と前を向いた。