兵庫県議会の本会議に出席した斎藤元彦知事=5日午前
 兵庫県庁に登庁する斎藤元彦知事=5日午前

 斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題で、県議会調査特別委員会(百条委)が5日、パワハラなどの疑惑を挙げた文書に「一定の事実が確認された」とする調査報告書を議会に提出した。採決の結果、了承された。斎藤氏は議会後「一つの見解が示されたのは受け止める必要があるが、誹謗中傷性の高い文書が作成されたことについて県の対応は適切だったと考える」と記者団に述べた。

 報告書は告発者を特定し処分したのは「公益通報者保護法に違反している可能性が高い」などと結論づけており、斎藤氏は午後の定例記者会見で見解を示す。

 報告書採決前には、百条委の非公開の音声データを漏えいした問題で兵庫維新の会から離党勧告処分を受けた増山誠氏が反対の立場で討論。百条委について「中立性、客観性が損なわれている」などと主張した。増山氏は百条委委員だったが問題を受け辞任した。

 文書は公益通報者保護法の外部通報に当たる可能性が高いとし、県が公益通報と扱わずに告発者を処分するなどした対応は「通報者がつぶされる事例として受け止められかねない」とした。