少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。学習方針や進路対策、キャリア教育について考えを聞きました。第8回は岐阜高校(岐阜市)の石田達也校長(61)。創立151年。東大京大の合格者は例年合計30人以上、岐阜県で一番の進学校ですが、勉強だけする学校ではないといいます。「いろんなことに興味関心があって、それに注力できる生徒たちが最後は伸びる」と石田校長は話します。(岐阜新聞デジタル限定記事です)

岐阜高校=岐阜市大縄場
 岐阜高校 所在地は岐阜市大縄場。県立の単位制普通科高校。1873(明治6)年設立。1学年の定員は360人。

 ―岐阜高の特徴は。

 昨年度、本校は創立150周年を迎えた。私自身OB。本校には歴史と伝統の重みがある。だが、在校中の3年間が充実していないと、歴史や伝統を良いものとして受け入れることができないと思う。

 もちろん生徒たちには勉強してもらいたいが、勉強ばかりで苦しかった、という3年間は過ごしてほしくない。本校の生徒たちには社会に出たとき、ゆくゆくはリーダーの立場になってほしい。そのためには頭でっかちではなく、他者の気持ちや痛みが分かるようになってほしいと思っている。高校3年間苦しい勉強だけした、では社会人になってからリーダーにはなれないと思う。

 進学校としてのプレッシャーもある中、生徒の多くは文化祭や体育大会、部活動に一生懸命取り組んでいる。中には「勉強をやらないでそんなことをしていていいの?」と保護者らに言われている生徒もいるだろう。本人も限られた時間の中で、どう勉強時間を確保するか、成績をどうするか悩んでいる。限られた時間の中で優先順位をつけ、何をすべきか苦労しながら毎日がんばっている。でも、そういう生徒たちは部活動などが終わると、ぐんと伸びる。

石田達也校長

 ―授業の特徴は。

 かつては教師が生徒の前でひたすら話し、黒板に書くことを生徒はノートに取るという一方通行型の授業がどこでも行われていた。今は大きく変化している。今は教師が発問すると、まずグループやペアでお互い話し合う。「交流する」と呼んでいるが、発問に対する自分の考えをお互い交流する。それも1分間など時間を区切って行う。本校の授業では、生徒たちは「僕はこう思う」「私はこう考える」と驚くほどお互いよく話している。

 ―狙いは。

 今、大学入試でもほとんど一問一答がない。判断力、思考力が問われている。...