
大東福祉会(大垣市)のメンター制度、心身の健康と成長支える
どれだけ働きやすい職場であっても、働き始めてしばらくは心身ともに疲れるもの。学校を卒業してすぐだったり、未経験の業種だったりすれば、慣れるまでに時間がかかるのも無理はありません。
大垣市の大東福祉会では「より良い介護を提供していくために心身の健康は必須」という認識で5年前にメンター制度を導入。入職して1年未満の職員に対して月1回、30分間の面談の時間を設けています。介護職経験のある中途採用者も対象です。

面談をするのは医療・福祉に関する知識に基づいたエステ「ソシオエステティック」の認定ソシオエステティシャンとして、10年ほど前から週3回、法人内の施設で利用者に施術をしている白須さん。メンタル心理士や社会福祉主事の資格を持っていること、ソシオエステを通して施設内の様子や職員の人柄を把握していることなどから、法人側が依頼しました。白須さんは「『話す』ことは『放す』こと。面談では仕事、人間関係、プライベート等、どんな内容を話してもらっても構いません。悩みというほどでないことでも他人に話すことで気持ちが楽になり、それを続けることで深刻な事態になりにくくなります」と面談の大切さを話します。内容は、本人に確認した上でリーダーや主任にフィードバックして、働きやすさの改善や本人の成長につなげていきます。
本年度、新卒で入職した豊永さんも白須さんの面談を受けています。豊永さんは短大の音楽関係の学科の出身。「高校時代から音楽と福祉に興味があり、短大は音楽を選びました。これからは福祉の道で頑張りたい」と大東福祉会に入職しました。

これまでの半年間を振り返って、「同じフロアの先輩職員が優しくわかりやすく指導してくださるため、大きな悩みはなく、毎日が楽しいです」と話します。ただ、勤務交代時の申し送りが苦手だったと言い、そのことを白須さんに打ち明け、先輩職員が気に掛けるようにしたところ、克服できたと言います。豊永さんは「メンター制度のことは面接で聞きました。白須さんは短大の先輩でもあり、とても話しやすいです。この制度があるだけで心強く、働きやすさにつながっています」と話します。
きっちりと時間を設けて面談をするのは最初の1年間だけですが、白須さんはその後も継続して気にかけたり、自ら面談を申し出た職員と話したり、周囲から「〇〇さんの話を聞いてあげてほしい」などと言われて対応したりしています。白須さんは、介護の仕事特有のメンタル面の大変さとして看取りを挙げます。「長い方ですと10年以上も施設で過ごされます。心身の状態を把握して寄り添ってきた方に会えなくなることはベテラン職員であってもつらいこと。そういった事情も把握しながらフォローするようにしています」と話します。
特別養護老人ホームゴールドライフ大東の関根施設長は「新しい環境で働くとなると孤立してしまう方もいます。不安を少しでもぬぐうことができればという思いでメンター制度を始めました。これらの積み重ねもあって昨年の離職率は2・9%と低い水準に抑えることができました。これからも心身ともに健全に働いてもらえるよう、継続してサポートできる環境を整えていきたい」としています。