秋季岐阜県高校野球大会第8日は28日、長良川球場で準決勝2試合を行い、大垣日大と中京が決勝進出を決めた。大垣日大は2年ぶり15度目、中京は4年連続27度目の東海切符獲得。
大垣日大は1年生エース谷之口翔琉が岐阜第一の水野匠登との左腕対決を制し、完封の6―0。谷之口は大会無失点を26回2/3に伸ばした。
中京は公式戦初先発の1年右腕・鈴木悠悟から2年の左腕エース日比野脩平への2本柱の継投で、4―1で岐阜城北を破った。
大会最終日は29日、同球場で午前9時から最後の東海切符を懸けた3位決定戦、続いて決勝を行う。
◆ニューヒーロー誕生 大垣日大の左腕・谷之口
岐阜県に新たなヒーローが誕生した。大垣日大の1年生エース谷之口。身長173センチ、体重61キロと細身ながら、切れ味抜群のストレートを厳しいコースに投げ込み、優勝候補の岐阜第一を完封。
岐阜県世代ナンバーワンの岐阜第一水野との左腕対決を制した108球は、2010年に選抜ベスト4入りした葛西侑也さんをほうふつとさせる同校1年生左腕の甲子園ブレークを予感させた。

谷之口は岐阜笠松ボーイズ時代はけがでほとんど投げられなかった。
だが、同ボーイズのコーチで岐阜第一の元監督の白木孝明さんが「球の切れが抜群で、楽しみな投手になる」と高く評価し、送り出した。
夏もベンチ入り。登板回数は少なかったが、最速135キロながら、右打者の内角に切れ込むクロスファイヤーに非凡さを見せていた。
新チームになって背番号1を背負い、体がまだできていないことから、短いイニングでの登板が多かったが、県大会では毎試合登板。
最長は2回戦岐阜戦の8回で、準々決勝まで17回2/3の無失点記録を続けて、東海切符のかかった準決勝岐阜第一戦の先発マウンドに立った。
序盤から持ち味の右打者へのクロスファイヤー、左打者の外いっぱいへの切れのいいストレートをコースに決め、岐阜第一打線を寄せ付けない。
谷之口自身が語るように「序盤はカーブが良くなかった」こともあったが、...