二重の堀に包まれた「飛州志」記載の桜洞城絵図(国立公文書館所蔵)

 2009年度に下呂市教育委員会が行った発掘調査の報告書によると、江戸中期の「飛州志」、明治初期の「斐太後風土記」、昭和初期の郷土史家・角竹喜登による「岐阜県史蹟名勝天然記念物調査報告書」にそれぞれ記録された古地図で桜洞城廃城跡の改変過程を知ることができる。

 「飛州志」の古地図には、城外で堀は二重に巡り、内側の堀は四方すべて囲っている。「斐太後風土記」には「飛州志」の外側の堀がなく、埋め立てられたとみられ、堀は一重になっている。一方で「飛州志」にない土塁の一部も描かれ、...