農林水産省は23日、政府備蓄米の放出に向けた3回目の入札を実施した。古米として比較的安価に取引されている2023年産の10万トンが対象で、落札した業者へは5月以降に引き渡される見通しだ。コメ価格の高騰が続く中、さらなる放出拡大が値下がりにつながるかどうかが焦点。政府は新米が出回る前の7月ごろまで、備蓄米を毎月放出する方針だ。

 今回対象の10万トンには「まっしぐら」や「コシヒカリ」など56品種が含まれる。落札されなかった場合は、今月25日まで入札を繰り返す。全量が落札されれば、計3回の入札での放出量は30万トンを超えることになる。

 3月に実施した2回の入札で、計21万2千トンの放出が進んでいるが、現時点で店頭価格の値下がりには至っていない。5月以降の数量やタイミングは流通状況を見て判断する。

 農水省によると、4月7〜13日に全国のスーパーで販売されたコメ5キロ当たりの平均価格は4217円で最高値を更新した。15週連続で値上がりしており、現時点で備蓄米放出の効果は乏しい。