米テキサス州で収穫されるコメ(ゲッティ=共同)

 日米関税交渉で、政府が米国産のコメ輸入の拡大を検討していることが22日、分かった。政府が関税をかけず輸入するミニマムアクセス(最低輸入量)約77万トンの範囲内で、実質的に米国向けの枠を設定する案が出ている。数量は6万トン程度が軸になるとみられる。政府はこれまでの貿易交渉でコメを保護してきたが、米関税政策からの除外を得るため一定の譲歩が必要と判断。国内の価格高騰で、割安な輸入米を求める声があることも後押しとなった。

 最低輸入量の範囲内で対応するため国内農家への影響は抑制できると分析しているとみられる。ただ、食用米の輸入増で価格が下がれば農家の経営に打撃となる懸念もある。夏の参院選も見据え、交渉打開に向けた有効策となるかどうかを見極めて判断する。交渉を担当する赤沢亮正経済再生担当相は月内にも2回目の交渉に臨む。

 政府は、関税がかからない最低輸入量約77万トンのコメを受け入れている。これ以外で輸入する場合は1キロ当たり341円の関税がかかる。