昨年9月、兵庫県議会で自身への不信任決議が全会一致で可決され、席を立つ斎藤元彦知事(右から2人目)

 パワハラなどの疑惑告発文書問題で斎藤元彦兵庫県知事が失職後に再選された昨年11月の知事選について、自民党県議団が検証文書をまとめたことが22日、複数の関係者への取材で分かった。独自候補を擁立できず「一体感の欠如を印象付けたのは遺憾」と総括。「出口戦略を考えずに失職に追い込むことに注力したのは猛省が必要」との一部県議の意見も記載した。

 県議会は昨年9月、斎藤氏への不信任決議を全県議の賛成で可決。斎藤氏は自動失職後に出直し選に挑み、再選を果たした。今年3月に調査特別委員会(百条委)が斎藤氏の告発者対応は違法の可能性が高いとする報告書をまとめ、第三者委員会もパワハラを認定する報告書を公表。不信任決議はこれらが出た後にすべきだったとの声が関係者の間に根強くある。

 自民の検証文書はこの点について「疑惑のあいまい度が高い状態のまま選挙戦に突入した」と回顧。選挙戦中は各候補者に配慮し報道が抑制的になったことで、斎藤氏に好意的なデマ情報が広がりやすい状態が浸透したとの分析も盛り込んだ。