経団連の十倉雅和会長は22日に東京都内で開いた定例記者会見で、トランプ米政権の高関税政策が国内の賃上げ機運に水を差している可能性があると懸念を示した。賃金を巡る労使交渉で昨年の同じ時期に比べて「妥結した企業の数が減っている」と指摘した。
十倉氏は「マイナスの影響を与えている。(企業が)関税の行方を見定めようと思っているのではないか」と述べた。
日米関税交渉については「合意を急いで、あまりやすきに流れないよう、中長期的な視点、視野を持った対応が必要だ」と政府に注文を付けた。自由貿易体制を維持するために欧州や東南アジアなどを巻き込み、日本がリーダーシップを発揮すべきだと主張した。