奈良県桜井市教育委員会と同市纒向学研究センターは22日、卑弥呼がいたとされる邪馬台国の有力候補地・纒向遺跡で見つかった古墳時代の犬の骨から復元模型を作り、報道陣にお披露目した。
調査に当たった同センター寺沢薫所長は、犬は卑弥呼が活躍していた時期に生きていたとし「卑弥呼も目にし、なでたかもしれない。考古学的に貴重な史料だ」と意義付けた。
センターによると、犬の骨は2015年に出土した。宮殿跡とされる大型建物跡よりもやや古い時期の建物を区画する溝で見つかり、出土した遺物から3世紀前半と判明。動物考古学などの専門家らの協力で復元を進めていた。全身骨格の半分近くが見つかり、解体痕跡もないことから何らかの儀礼に用いられた可能性もあるという。
復元された犬は、1歳半程度の若い雌と推定され、体高約48センチで現在の四国犬や紀州犬の雌と同じくらいの大きさ。毛色は推定できていないが、同時代には茶系と灰色系が存在したとされていることから、両タイプの模型を作成した。