水俣病の原因企業チッソがメチル水銀を含む工業排水を流していた「百間排水口」(熊本県水俣市)に、逆流を防止する「樋門」の木製の扉を新設したのを記念した式典が20日、開かれた。市は2023年に老朽化した扉を撤去する方針だったが、水俣病を象徴する原点の地として保存を求める患者らの訴えにより、県の仲介で扉を新設して遺構として後世に残すことになった。
排水口近くで開かれた式典には患者や支援者ら約50人が参加し、熊本県の木村敬知事があいさつで「樋門を通じて水俣病の教訓を後世に伝えていくことが私たちに課せられた使命だ」と述べた。
樋門は、2000年代に代替のポンプ施設ができてからは機能を失っていた。