小売り大手6社の2025年2月期連結決算が17日、出そろった。セブン&アイ・ホールディングスとイオンは主力のコンビニやスーパー事業が消費者の節約志向を背景に苦戦し、いずれも減益だった。不採算店舗の閉鎖費用など一時的な損失も響いた。一方、百貨店2社はインバウンドや富裕層を取り込み、過去最高益だった。
イオンは秋冬物の衣料不振などで、純利益が前期比35・6%減の287億円だった。吉田昭夫社長は「消費者の節約志向の高まりが想定以上だった。価格戦略などの遅れが決算のマイナス要因だった」と分析した。セブン&アイは23・0%減の1730億円だった。主力の北米市場での景気後退懸念が影響し、コンビニ事業が低迷した。
百貨店の大丸や松坂屋を運営するJ・フロントリテイリングの純利益は38・5%増の414億円、高島屋は25・0%増の395億円だった。高島屋の村田善郎社長はインバウンド消費について「これまでは過熱感があった。米トランプ政権の関税政策や円高の影響で、今期は昨年並みか下がる」との見通しを示した。