11日、ソウルの大統領公邸近くで支持者らにあいさつする尹錫悦氏(共同)

 【ソウル共同】韓国憲法裁の決定で大統領を罷免された尹錫悦氏は11日、ソウル竜山区の公邸を退去し、約4キロ離れた瑞草区の自宅マンションに戻った。公邸や自宅付近には支持者らが集結し、声援を送った。尹氏は、保守系与党「国民の力」の幹部や強硬保守層への影響力を保っており、6月の大統領選に向けた動向が注目されている。

 11日午後5時10分ごろ(日本時間同)、公邸の門から尹氏が徒歩で姿を現すと「尹錫悦」コールが沸き上がった。「ユン、アゲイン」と連呼した支持者らに尹氏は歩み寄って握手。警護車両で移動した際も度々降車して沿道の人々にあいさつし、名残惜しさをにじませた。

 尹氏はメッセージを発表。「公邸で世界各国の首脳に会った。国益と安全を守るために努力した」と振り返り「国と国民のための新しい道を見つける」と宣言した。

 尹氏の支持者に対する言動が「極右勢力の扇動だ」と反発してきた革新系最大野党「共に民主党」はこの日「罷免後も政治に介入してきた」と批判した。