2016年の熊本地震で、装飾古墳として知られる今城大塚古墳(熊本県御船町、6世紀後半)の横穴式石室が全壊した可能性があることが町の発掘調査で11日、分かった。町は震度6弱を観測していた。
同古墳修復検討委員会委員長の杉井健熊本大教授は「熊本地震で被害を受けた県内の古墳は50基弱あるが、石室が壊滅的な被害を受けた例が明らかになったのは初めてで、驚いている」と話した。
古墳は全長約40mの前方後円墳。石室の天井は高さ約3mで、地震前から石室石材のひび割れも確認されていた。15年は雨で墳丘が崩れたため、墳丘をシートで覆ったが、翌年には熊本地震が発生、古墳の墳丘は大きく崩れていた。