公明党の会合であいさつする斉藤代表=10日午前、東京都新宿区
 与野党が検討する主な経済対策
 公明党の斉藤鉄夫代表

 物価高やトランプ米政権の高関税政策を受けた経済対策として、与党内で全国民を対象とした一律3万〜5万円程度の現金給付案が浮上した。編成を検討する2025年度補正予算案に関連経費を計上する方向だ。公明党の斉藤鉄夫代表は10日の党会合で、減税を軸とする経済対策を主張した上で、当面の措置として現金給付の必要性を指摘した。野党からは給付案について「ばらまき」との批判が上がった。

 石破茂首相は経済対策に関し「新型コロナウイルス対策に匹敵するものを考える」と言及し、大規模な措置を実施する意向を表明している。政府は政策効果を見極めた上で慎重に判断する。

 数兆円規模の経費が必要になるとみられ、夏の参院選を見据えて実施する場合は今国会での補正予算成立を目指す。与党は衆院で過半数を持たないため、野党の協力が不可欠となる。現金給付には与党内に10万円給付を求める声もある。

 斉藤氏は党会合で、減税を含む経済対策の取りまとめを政府に要求。「最も効果的なのは、減税で家計や企業の負担を直接軽減することだ」と強調した。