自民党は10日、厚生労働部会などの合同会議を開き、全ての国民が受け取る基礎年金(国民年金)の底上げを柱とする年金制度改革案について話し合った。政府が関連法案の今国会提出を目指す中、複数の議員から夏の参院選への影響を避けるため提出先送りを求める声が上がった。法案から底上げ案を削除するべきだとの意見もあった。
会議後、古賀篤政調副会長は記者団に「(法案提出の)タイムリミットが近づいている。執行部とも相談して(提出の是非を)決めたい」と述べた。
会議では、これまでに非公開で聴取した労使団体や専門家の意見を踏まえて議論した。関係者によると「参院選を前にした法案提出には反対」「底上げ案は落とすべきだ」といった意見が出た。
改革案によると、底上げには会社員らが入る厚生年金の積立金を活用するため、厚生年金の受給額が一時的に減る。野党からも批判が出ており、政府は受給総額が減らないような修正も検討している。
改革案には、厚生年金加入拡大に伴う中小企業の保険料負担増なども含まれている。