米通商代表部(USTR)のグリア代表が相互関税の交渉を巡り、農産物の市場開放を協議する意向を示した。米国はこれまで日本政府が管理するコメ輸入枠や関税以外の保護策を問題視してきており、焦点になる見込みだ。交渉に警戒の声が上がる一方、コメ価格高騰で外国産の使用も活発になる中、輸入枠の運用変更で譲歩の余地があるとの意見も出ている。

 USTRは、3月末に公表した報告書で日本のコメ市場を問題視した。日本政府は輸入枠約77万トンのうち主食用は最大10万トンに限っている。また枠内輸入は無税だが、売り渡す際に1キロ当たり最大で292円を上乗せする。こうした運用について「不透明な上に規制が厳しい」と撤廃を求めており、交渉でテーマになるとみられる。

 日本のコメの価格高騰で、農業団体の関係者は「(保護がなければ)外国産米を使う動きが、さらに増えるだろう」と警戒。一方、国民民主党の玉木雄一郎代表は8日の記者会見で、輸入枠について「(コメに不足感があり)少し主食用米に回す比率を高めていく必要がある」と指摘した。