事前予約制を前面に出した「並ばない」大阪・関西万博の実現に、暗雲が垂れ込めている。開幕を控えて4〜6日に会場で実施した予行演習「テストラン」で、入場ゲートには最長1時間半待ちの混雑が発生。パビリオンの予約は複雑だとして断念する人が相次ぎ、予約不要の展示館に長蛇の列ができた。日本国際博覧会協会は7日、改善を図る考えを示した。
国内開催の過去の万博が大混雑となった教訓を踏まえ、今回は予約制を本格導入する。来場日と時間のほか、パビリオン観覧も予約して、待ち時間なしで楽しんでもらう想定だ。出展企業の関係者や大阪府民ら計約9万人を「来場客」に見立てたテストランで、その一端が浮かぶはずだった。
だが東西2カ所ある入場ゲートのうち、大阪メトロ中央線夢洲駅直結の東側は3日間通じて混雑が起きた。手荷物検査に手間取ったのが最大の要因で、予約時間よりも早く訪れた来場者の対応も後手に回った。
海外パビリオンは煩雑なシステムを理由に予約を諦める来場者が続出。「高齢者には無理だ」との声も漏れた。