日産自動車がグループの日産車体九州(福岡県苅田町)で、大型スポーツタイプ多目的車(SUV)「パトロール」の増産に向け、応援人員の受け入れを今月始めたことが7日、分かった。パトロールは悪路に強く、中東やオーストラリアからの受注が好調だ。トランプ米政権の関税政策の悪影響を受けにくく、収益を下支えする車種と位置付けている。
日産自動車の栃木県や神奈川県の計3工場、日産自動車九州(福岡県苅田町)、グループ会社から計700人程度を1年間派遣する異例の取り組みとなる見込みだ。パトロールは高価格帯のため1台当たりの利幅が大きい。日産は2025年3月期に赤字に転落する見通しで、増産について従業員に「業績回復に不可欠」と説明している。
派遣するのは栃木工場(栃木県上三川町)から130人程度、追浜工場(神奈川県横須賀市)は150人程度、横浜工場(横浜市)は60人程度、日産自動車九州は280人程度とされる。部品の供給網などが整い次第、24時間体制で生産する。