長崎県壱岐島沖のヘリコプター事故で亡くなった医師の荒川渓さん(34)は脳神経外科などが専門だった。学生時代の知人は「真面目な青年だったのに」と惜しむ。死亡した対馬市の患者、本石ミツ子さん(86)と付き添いの息子、和吉さん(68)の近隣住民からも、悲しむ声が相次いだ。
荒川さんが勤務する病院のホームページによると、荒川さんは長崎大出身で脳神経外科などの専門医資格を持つ。学生時代を知る長崎市の男性は、水泳に打ち込む様子が印象に残っているといい「大会の審判なども引き受けてくれ、真面目な青年だった」と話した。
ミツ子さんは自宅から対馬市内の病院に運ばれた後、ヘリに乗った。近所の男性(91)は「畑仕事に精を出し、気遣いができる優しい人」と振り返る。
自宅の隣に住む息子夫婦のうち、和吉さんが搬送に付き添った。小中学校で同級生の女性(68)は「働き者で、地域の頼まれごとをにこにこ笑って引き受けてくれた」と語る。市内に支店がある建設会社に数十年勤務し、重機を操り護岸などの工事に当たっていた。