【北京共同】中国国家原子力機構は7日、東京電力福島第1原発付近で2月に採取した海水や海洋生物の試料を中国国内で分析したところ、トリチウムなどの放射性物質濃度に異常は確認されなかったと発表した。日中両政府が合意した枠組み下での中国による試料分析は昨年10月の採取に続き2度目。原発処理水の海洋放出を受けて中国が停止した日本産水産物の輸入が再開される時期が焦点だ。
同機構は、東京都内で今年3月に両政府が開催した閣僚級の「日中ハイレベル経済対話」で日本側が処理水放出に関し長期的で国際的なモニタリングを受け入れると重ねて表明し、中国が参加する監視活動を続けることを確認したと指摘。中国は国際社会や国際原子力機関と共に日本に対して合意を着実に履行するよう促すとした。
中国外務省の林剣副報道局長は7日の記者会見で中国政府は国民のために「食品の安全を断固として守る」と強調。「1度の検査結果で異常がないことは、今後の検査でも問題が見つからないことを保証しない」として、繰り返し検査が必要だとの姿勢を示した。