交流サイト(SNS)を中心にインターネット上で相次ぐ「炎上」を、人工知能(AI)によって未然に防ごうとする動きが出ている。法律相談サイトなどを手がける弁護士ドットコムは投稿前の文章をAIで確認し、批判を集めかねない内容を見つけたら修正を促すアプリの開発を7日に発表。試験運用を経て、今夏のサービス開始を目指す。
アプリは無料提供を検討している。利用者がX(旧ツイッター)などへの公開を考えている文章を「攻撃性」「差別性」「誤解を招く表現」の観点からチェック。炎上を招く恐れが強い場合は「大幅な修正または公開の中止を強く検討してください」といった警告を示し、見直しを求める。
試験運用では芸能人や政治家、スポーツ選手、企業関係者らの参加を想定している。
弁護士ドットコムの研究機関が行った調査では、誹謗中傷をした経験のある回答者の約半分は、自らの投稿が中傷に当たるとは認識していなかったという。同社は「意図せず加害者にならないためにも、投稿者自身が責任を持って言動を見直すことが求められている」としている。