患者を搬送していたヘリコプターを運用していた福岡和白病院(福岡市東区)は6日の事故後、報道陣が詰めかけ、救急車が入るたびにカメラのフラッシュが光った。夜になって記者会見を開いた富永隆治院長は「今回の事故は悲痛の極み」と硬い表情で絞り出した。長崎県庁では、危機管理や医療政策の分野の職員ら10人超が集まり、情報収集に追われた。
約30分に及んだ病院の会見には、運航を委託されていたエス・ジー・シー佐賀航空(佐賀市)の担当者2人も同席。事故原因を問われると「分からない状況だ」と応じるにとどまった。
長崎県医療政策課の担当者は「非常に重たい事案だ」と受け止めた。離島が多く、患者搬送にヘリは欠かせない。「県のドクターヘリも安全性が重要だと思うので、業者と一緒に確認に取り組みたい。患者搬送に支障がないようにしたい」と言葉を選んで話した。
佐賀空港に拠点を置くエス・ジー・シー佐賀航空の建物前にも、報道各社が集まったが、入り口は閉められたまま。深夜帯になっても明かりは消えず、対応に追われている様子がうかがえた。