知人らの出迎えを受ける第66次南極地域観測隊隊長の原田尚美教授(右端)=6日午前、成田空港

 東南極のトッテン氷河沖での集中海洋観測を終えた第66次南極地域観測隊の、夏隊の一部隊員ら38人が6日、南極観測船「しらせ」経由地のオーストラリアから空路で成田空港に到着した。2月に帰国した隊員らと合わせ、66次夏隊全員が任務を終えた。

 到着ロビーでは「お帰りなさい」と書かれた横断幕を持った知人らが出迎えた。隊員との再会を喜び、握手したり、抱き合ったりする人もいた。

 氷河沖で海水温や塩分、プランクトンなどを調べる観測装置の投入や海氷採取を行い、データやサンプル収集をした。女性で初の隊長、東大大気海洋研究所の原田尚美教授(58)は「天気との勝負の中、氷河を解かす暖かい海水の通り道で観測できた。今後解析し、成果が出るのが楽しみ」と話した。

 専門家を観測に集中させるため、初の試みとして隊員を一部入れ替え、オーストラリア―南極間を2往復したしらせは3日、豪西部フリマントルに入港。観測隊は近くの都市パースから飛行機に乗り込んだ。

 しらせは4月22日に帰国する予定だ。