アマミノクロウサギ(琉球大の小林峻助教提供)

 鹿児島県の奄美大島などに生息する国の特別天然記念物「アマミノクロウサギ」は、普通のウサギの5倍という時間をかけて極端に遅く育つことが分かったと、岡山理科大などのチームが3日発表した。餌の限られる島で増え過ぎないよう適応したためとみられるが、現状では絶滅リスクを高める要因になっている可能性があるという。

 アマミノクロウサギは交通事故死する例も少なくなく、環境省のレッドリストで「絶滅危惧1B類」に指定されている。岡山理科大の林昭次准教授は「大人になるのに時間がかかり、一度激減したら絶滅するため大事に共生するべきだ」と警鐘を鳴らした。

 チームは死んだ263個体を観察。骨の形と成長段階の関係を調べた。31個体の骨を切って分析した結果、1年で1本できるとされる年輪のような「成長停止線」が骨がくっつき大人になって間もない個体で5本程度確認された。

 普通の子ウサギでは成長停止線はみられないが、アマミノクロウサギは子どもにも複数あった。アマミノクロウサギは5年ほどかけて成長すると考えられるという。