日銀が1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、代表的な指標である大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が昨年12月の前回調査から2ポイント下落のプラス12となり、4四半期ぶりに悪化した。トランプ米政権の関税強化策が懸念された。円安の長期化などにより原材料費が上昇していることも響いた。
大企業非製造業のDIは2ポイント上昇のプラス35となり、2四半期ぶりに改善した。円安による好調なインバウンド(訪日客)消費が下支えした。
製造業のDIは全16業種のうち11業種が悪化し、5業種が改善した。トランプ政権の追加関税対象となった鉄鋼が10ポイント下落し、落ち込みが目立った。繊維と石油・石炭製品もそれぞれ23ポイント、17ポイントと大幅に下げた。一方、認証不正問題で停止していた生産の再開が進んだ自動車は5ポイント上昇した。
非製造業のDIは7業種が改善し、3業種は悪化した。2業種は横ばいだった。小売りが8ポイント上昇し、建設と宿泊・飲食サービスはいずれも6ポイント上がった。