【ワシントン共同】トランプ米大統領が国防総省ナンバー3の政策担当次官に指名したエルブリッジ・コルビー元国防副次官補の人事承認を巡り、共和党で駆け引きが活発化している。有力者は支持の結集を図る一方、エリート色の強い経歴には異論が噴出。コルビー氏は公聴会で、日本は防衛費を国内総生産(GDP)比3%に増やすべきだと主張しており、採決の結果が注目される。
コルビー氏はニクソン、フォード両政権下で中央情報局(CIA)長官を務めた故ウィリアム・コルビー氏の孫。エール大法科大学院を修了後、シンクタンク研究員などを経て、第1次トランプ政権で国防副次官補(戦略・戦力開発担当)を務め、2018年の国家防衛戦略策定に従事した。
華やかな経歴を歩んできたコルビー氏は国防政策に精通するが、既存政治打破を掲げるトランプ氏の岩盤支持層にはエリート層への反感が根強い。ニューヨーク・タイムズ紙によると、政治活動家チャーリー・カーク氏は「ディープステート(闇の政府)による新たな陰謀だ」と問題視した。