赤字が続く名鉄広見線の新可児-御嵩駅間の2026年以降の存廃を巡り、岐阜県可児郡御嵩町議会は19日の定例会最終日で、住民有志の「名鉄広見線の存続を求める会」が提出した路線存続を求める請願を賛成多数で採択した。議会に設置された同問題対策特別委員会の中間報告では、町執行部に対し、存続に向けた対策を講じることを求めた。
「岐阜新聞デジタル クーポン」始めました!対象店舗はこちら存廃問題では、沿線市町が6月末までに存続の可否を判断することになっている。渡辺幸伸町長は閉会後「議会の意思として請願が採択されたことを重く受け止めたい」とコメントした。
1月に設置された同特別委は、議長を除く全議員(11人)が委員となり、委員会や協議会、専門家を招いての勉強会を重ねてきた。中間報告では、委員長の山田徹議員が存続の方針を目標に、町執行部に6項目を提案した。
具体的には、▽現時点で考えられる方式の他にも運営方式を探る▽関係する自治体などと負担金や補助金などの応分負担について協議交渉する▽町の財政運営への路線維持にかかる将来支出の影響の検証-など。これまでの住民や関係者の意向を反映して意見集約し、今後の方向性を見いだすことを求めた。
また、請願の審議では、反対議員から「残すことに反対し、その金額を子どもたちに使ってほしいという意見もある。歳入が増えなければ、どこかを削り誰かに不利益が生じる」と運行継続の場合の財政面を不安視する意見が出た。賛成議員は「財源の支援体制はまだ十分な協議ができていない。現段階で財源を盾に民意を遮断するのはいかがなものか」と訴えた。請願は議長を除く議員11人中、10人が賛成した。
審議を傍聴していた同会代表の藤掛義彦町商工会長は「民意が届き感謝する。(存続には)沿線自治体の財政運営が関与することは理解しているが、広見線を残すことは将来の子どもたちへの投資」とした。
存廃を巡って名鉄は、維持修繕費を公費負担する「みなし上下分離方式」、もしくは廃線してバス路線とする2案から、沿線市町で協議をして結論を出すよう求めている。