長野県須坂市は18日、ふるさと納税の返礼品として提供するブドウ「シャインマスカット」の一部に産地偽装があり、山形県産が混在していたと明らかにした。市によると、混在した返礼品の件数は2019年6月〜24年9月で約1万件。寄付額は約1億2千万円に上る。

 農林水産省によると、仕入れを担当していた和歌山県有田市の会社「日本グルメ市場」が実際は山形県産のものを長野県産と表示していた。須坂市は昨年12月に同社から報告を受け混在を把握したが、今月まで募集を続けていた。

 総務省は「ふるさと納税制度に対する信頼性を損ないかねない重大な事案で、遺憾だ」と強調。市から事実関係や背景を詳しく聞き、ふるさと納税制度の対象から除外することも含めて対応を検討する。

 須坂市の三木正夫市長は記者会見を開き「市の事業者が行政指導を受けたことは極めて遺憾。市長として責任を感じ申し訳ない」と謝罪した。