2011年3月の東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で東電旧経営陣が強制起訴された裁判で、原子力部門トップを務めていた武黒一郎元副社長(78)と、ナンバー2だった武藤栄元副社長(74)の無罪が11日に確定した。事故の刑事責任を誰も負うことなく裁判は終結した。
最高裁は5日の決定で、「事故の予見可能性はなかった」として、2人を無罪とした一、二審判決を支持し、検察官役の指定弁護士の上告を棄却した。共に起訴された勝俣恒久元会長は二審判決後の昨年10月に84歳で死去し、公訴棄却となっていた。