豪雪被害の現状を紹介する写真を見つめる石田秀夫さん=郡上市八幡町小野、Aコープ

 今冬の大雪で岐阜県内各地で影響が出ている中、郡上市白鳥町石徹白(いとしろ)ではビニールハウスが積雪でつぶれ、農家に甚大な被害をもたらしている。地元住民らは「多くの人にこの現状を知ってほしい」と訴えており、8日には岐阜市のJR岐阜駅前で募金活動を行う。

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 石徹白地域は100世帯200人が暮らす豪雪地帯で、年末と年始、先月までの降雪で一時は約3メートルの積雪となった。

 この地域で野外教育活動をするNPO法人「森の遊学舎」代表の大西琢也さん(50)によると、農家15軒ほどで、トマト栽培などのため約70棟あるビニールハウスのほとんどが、積雪により骨組みが折れてしまっているという。被害は深刻でハウス修復には1千万円以上かかる見込み。大西さんは「このままでは農家は再起できない。災害として国や県が補助してほしい」とした上で「農業をやめ、この地域を出て行く人が増えると石徹白の存続に関わる」と訴える。

 先月には、ボランティア団体の協力で住民らが除雪を何度も行った。参加した同市明宝の岐阜奉仕隊代表の石田秀夫さん(77)は、同市八幡町小野のAコープに写真を展示して現状を紹介している。

 石田さんは「豪雪を皆さんの温かい心で溶かしてほしい」と、8日午前10時から、岐阜市のJR岐阜駅前で募金活動をする。

(服部潤)