外野の頭を越す打球―。選抜発表の日、高橋正明監督が「大垣日大の野球の型を破りたい」と語った打撃のレベルアップが、冬場の厳しいトレーニングの成果で着実に実りつつある。

 第97回選抜高校野球大会(18日開幕・甲子園)に出場する大垣日大は、高校野球の対外試合解禁日の1日から3日まで3校6試合を行った。解禁日の1日、愛知啓成戦最初の打席、初球を不動の1番山口誠之助が右中間をつんざく二塁打を放ったのを皮切りに長打を量産し、5勝1分。高橋監督も「守備も含め投手陣の整備が今後の課題だが、打線はよく振れ、思った以上のスタートが切れた」と確かな手応えを感じ取った。大垣日大のシーズン開幕を詳細にリポートする。

大垣日大×愛知啓成=1回表大垣日大、開幕試合の初球を右中間二塁打する山口誠之助=大垣日大高グラウンド

 ◆打球の伸びに進化、全体にバット振れ、長打量産

 「自分でも思った以上に打球に伸びを感じる」。山口が実感するように、打線全体がバットがよく振れているだけでなく、打球の質自体がアップしている。

 初戦では山口がすかさず三盗、四球をはさみ、3番に入った主砲・西河遥人の技ありの逆方向への先制打。期待の1年生大砲の松家侑志が左翼越え二塁打を放ち、瞬く間に3点を先取した。開幕試合は二塁打4本を放った。

大垣日大×愛知啓成=1回表大垣日大無死一、二塁、左翼二塁打を放つ期待の1年松家侑志=大垣日大高グラウンド

 七回打ち切りの第2試合の長打は舩橋天の二塁打1本のみだったが、2日の近江(滋賀)戦では、ミスも絡み1年生エース谷之口翔琉がいきなり4失点したにもかかわらず、好調の打撃が一気にひっくり返した。...