岡村勲弁護士=2018年

 「全国犯罪被害者の会(あすの会)」代表幹事などを務め、権利確立に向け活動した弁護士の岡村勲(おかむら・いさお)さんが2月24日午前11時9分、肺炎のため東京都の病院で死去した。95歳。高知県宿毛市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。後日、お別れの会を開く。

 一橋大卒業後、1955年に司法試験合格、59年に弁護士登録。日弁連副会長などを歴任した。山一証券(当時)の代理人を務め、97年、逆恨みした顧客の男に妻=当時(63)=を殺害されて被害者遺族となった。これをきっかけに2000年、ほかの事件の遺族と共にあすの会を設立した。

 05年に施行された犯罪被害者基本法成立のほか、08年に導入された被害者参加制度の実現に尽力。10年には、殺人など凶悪犯罪の公訴時効が撤廃され、犯罪被害者の権利確立に大きな役割を果たした。

 あすの会が18年に解散後、22年に発足した「新あすの会」でも代表幹事を務めた。新あすの会では、被害者への経済的支援の強化を求め、国会への要請などの活動を続けた。