世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者を両親に持つ30代男性が、教団側から与えられた本名で生きるのは苦痛だとして求めていた氏名変更の申し立てを、東京家裁が却下したことが3日、関係者への取材で分かった。2月26日付。男性は不服を申し立てる方針。
男性は野浪行彦さん=通称、東京都在住=で、教団が相手を選ぶ合同結婚式で結婚した両親から生まれた「祝福2世」。名は教団側から教義に沿って付けられた。親は教団内で有名な古参信者の家系で、本名の氏を維持することも苦痛だとして、昨年10月に氏名変更を申し立てていた。
野浪さんは取材に「怒りに震えている。旧氏名を名乗り続けなければならず、教団との関係を断ち切れないことが苦痛」と胸の内を明かした。
東京家裁は「氏名は教団との関連性をただちにうかがわせるものではなく、精神的苦痛は主観的な感情にとどまる。通称使用を開始してから半年程度しか経過しておらず、通称が社会的に定着しているとも認められない」と判断した。