「野口さんは短歌に出会って、過去の摂食障害も治ったのではないですか?」数年前の、あるインタビュー。その女性インタビュアーの笑顔の問いに、ぎり、と茨(いばら)が食い込むよう胸が痛んだ。それはそうだ...
心の瘡蓋
岐阜市出身の歌人野口あや子さんによる、エッセー「身にあまるものたちへ」の連載。短歌の領域にとどまらず、音楽と融合した朗読ライブ、身体表現を試みた写真歌集の出版など多角的な活動に取り組む野口さんが、独自の感性で身辺をとらえて言葉を紡ぐ。写真家三品鐘さんの写真で、その作品世界を広げる。