米首都ワシントンのFRB本部

 【ワシントン共同】米連邦準備制度理事会(FRB)は23日、全国12地区の連邦準備銀行による景況報告(ベージュブック)を公表した。トランプ米政権の関税政策を巡る経済の不確実性の高まりを受け、複数の地区で見通しが大幅に悪化したと指摘した。14日までの報告をまとめた。

 トランプ政権は「相互関税」の上乗せ分の第2弾を90日間停止し、各国との交渉に入ったが、先行きには不透明感が強い。中国とは高関税のかけ合いに発展しており、関税政策への懸念が米国内で広がっていることが改めて浮き彫りになった。

 個人消費は全体的に減少した。大半の地区で、自動車の販売が堅調だったが、高関税による価格上昇を控えた駆け込み需要によるものだと分析した。トランプ氏が復活を掲げる製造業の活動は、8地区がほぼ横ばい、もしくは減少した。複数地区では、経済状況がより明確になるまで企業が採用を一時停止、または減速しているとした。