政府は、有事に伴うシーレーン(海上交通路)封鎖で海外からの物流が途絶える事態に備え、重要物資の着実な確保策を協議する関係閣僚会議を新設する検討に入った。経済・食料安全保障強化の一環で、夏にも初会合を開く。複数の関係者が23日明らかにした。中国による台湾への武力侵攻などが念頭にあるとみられ、物資の安定供給に向け、予算措置や法整備の必要性が議題となる見通しだ。

 関係閣僚会議は、石破茂首相をトップに経済安全保障担当相、外相、防衛相、経済産業相、国土交通相、農相らで構成。石油や天然ガス、食料、半導体など、輸入が滞れば国民生活に大きな影響を与える物資の供給網や備蓄状況を点検する。

 日本は今年2月末時点で、民間分などと合わせ計244日分の石油と、農産物ではコメ、食料用小麦、トウモロコシなど飼料穀物の3品目を備蓄している。ただ食料やエネルギーの大半を輸入に依存しているため、政府関係者は「緊急時に国民の暮らしを守るため、確保手段の検討は急務だ」と対応の必要性を強調する。