日本郵便本社が入るビル=東京・大手町

 郵便局で配達員に酒気帯びの有無を確認する点呼業務を怠っていた問題を巡り、日本郵便が全国の3200局を調査した結果、7割に当たる2千超で点呼を行わないなど不適切な事例があったことが23日分かった。全13支社で確認された。日本郵便は昨年の時点で点呼の徹底を全国の郵便局に指示していたが、現場に浸透していなかった実態が浮き彫りになった。点呼は貨物自動車運送事業法で定められており、日本郵便は同日、国土交通省に報告する。

 点呼問題は、今年1月に近畿支社管内の郵便局で発覚。点呼したように見せかける記録の虚偽記載もあった。近畿運輸局は報告を受け、2月に同郵便局を監査した。

 近畿支社が管内を調査したところ、集配機能を持つ拠点の約8割に当たる140局で点呼業務をしていなかったことが判明し、日本郵便は調査対象を広げ集配を担う全国の局を調査していた。

 これに先立つ昨年5月、横浜市の郵便局で配達員が業務中に車内で飲酒し酩酊状態で配達していた事案があり、日本郵便は全国に点呼徹底の通知を出していた。