知床観光船沈没事故から3年となり、北海道斜里町のウトロ地区で開かれた追悼式=23日午後1時
 知床観光船沈没事故から3年となり、追悼式の会場に設置された献花台=23日午前、北海道斜里町

 北海道・知床半島沖で2022年4月、観光船「KAZU 1(カズワン)」が沈没し乗客乗員計26人が死亡、行方不明となった事故は、23日で発生から3年となった。乗客の家族や地元・斜里町の住民らは「あの日、事故がなかったら」「あんな悲惨な事故は二度と起こしてはいけない」と犠牲者を悼んだ。町では同日午後、追悼式が開かれた。

 カズワンが当時出航した斜里町ウトロは曇り空で、朝方は気温5度以下に冷え込んだ。福岡県久留米市出身で、行方不明となった小柳宝大さん=当時(34)=の父親は、式典出席のため同町を訪れた。「宝大はまだ見つかっていない。事故がなかったら元気に暮らしていると思うと…」と心境を語った。

 高知市から旅行に来た田中幸彦さん(62)、朋子さん(59)夫婦は6年前、カズワンに乗船したことがあるといい「波も穏やかで楽しい思い出だった。まだ見つかっていない人もいて、いたたまれない」と悔やんだ。

 事故は22年4月23日、知床半島西側の観光名所カシュニの滝沖で発生した。