日本芸能従事者協会の森崎めぐみ代表理事

 俳優やスタッフらが加入する日本芸能従事者協会がこのほど、健康診断を受けやすいよう支援する仕組みをつくった。業界の多くを占めるフリーランスを対象とした協会の2023年の調査では、3割が健診を「受けていない」と回答。森崎めぐみ代表理事は、芸能界でも過労死とみられる突然死が起きているとして「多くの人に活用してもらいたい」と話す。

 協会によると、労働基準法が適用されないフリーランスは健診が義務ではない上に、撮影が長期間に及んだり、公演で全国を巡回したりして予定が見通せないことが受診低迷の理由の一つと考えられる。自力で医療機関を探す必要があることも課題となっていた。

 協会は、東京、愛知、三重、滋賀、大阪、兵庫の九つの医療機関と提携。今後、地域の拡大も進める。集団健診も可能とし、クランクインや稽古前の一斉受診を促す。23年調査で受診が1割にとどまったストレスチェックもオプションで選べる。費用はいずれも自己負担。協会ホームページで周知している。