ロシアのプーチン大統領(タス=共同)

 【モスクワ、キーウ共同】英紙フィナンシャル・タイムズは22日、ロシアのプーチン大統領がトランプ米政権のウィットコフ中東担当特使と11日に会談した際、ウクライナへの侵攻を現在の戦闘ラインで停止する用意があると伝えたと報じた。トランプ大統領が取り組む停戦交渉の一環としている。報道が事実なら、ロシア側による異例の具体的な停戦案となる。

 停滞する交渉にいら立ちを強めるトランプ氏への配慮の可能性がある。ロシアのペスコフ大統領報道官は「最近フェイクの報道が多い」とし、当事者が発信する情報のみを信じるよう呼びかけた。

 同紙によると、プーチン氏は、ロシアが2022年9月に一方的に併合したウクライナ東部・南部4州のうち、現在ウクライナ側が統治する地域の領有権放棄の可能性にも言及したという。

 米ホワイトハウスによると、ウィットコフ氏は週内にモスクワを訪れ、プーチン氏と会談する。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、停戦合意が成立して戦闘が停止した場合、いかなる形式でもロシアと協議する用意があると述べた。