李恢成さんの自宅に残されていた小説「地上生活者」の未発表の原稿

 今年1月に死去した芥川賞作家李恢成さんが20年以上執筆を続けながらも、未完に終わった小説「地上生活者」の未発表の原稿が自宅に残されていることが21日、分かった。生前刊行された第6部に続く内容で、長男の潤午さん(61)は「父は生前、これを書き上げないと死ねないとずっと言っていた。なんとか刊行したい」と話している。

 李さんは在日朝鮮人2世として生まれ、1972年に、外国籍で初めて芥川賞を受賞した。

 「地上生活者」は、現ロシア・サハリン(旧樺太)で生まれ、戦後を生き抜いた自身の半生を基にした長編小説。